ライダー向け遠近両用メガネを科学する

2025.09.22


ライダー向け遠近両用メガネを科学する

―調節力低下世代の“視界の安心”と走行安全を守るために―

1. ライディング特有の「遠・中・近」視点移動

オートバイ走行では視線が遠・中・近をシームレスに移動します。

  • 遠距離:先のカーブ、対向車、路肩の標識

  • 中距離:メーター、ナビ、スマホホルダー

  • 近距離:給油時のレシート、ハンドル周辺の操作系

40代以降、調節力が3D以下に低下すると、
メーターから遠景に視線を戻した瞬間にボヤけるなど、
わずかな焦点遅れが安全リスクにつながります。


2. ライダーに適した遠近両用の利点と注意点

遠近両用(累進多焦点)レンズは1枚で遠・中・近を補正できる点で理想的ですが、ライディングには特有の課題があります。

  • 前傾姿勢:ヘルメット内で視線が下がり、遠用ゾーンの確保が重要。

  • 振動:累進帯周辺の周辺収差(ボケ)が揺れで強調される。

  • レンズシフト:ヘルメット脱着による微妙な位置ズレが累進設計に影響。


3. 安全を左右するレンズ設計のポイント

3-1. 遠用重視型・ワイド中間設計

走行中の約80%は遠距離注視。
「遠方ゾーンを広く」「中間帯を滑らかに」設計したライダー専用累進が推奨されます。
加入度(Add値)は+1.25〜+1.50D程度とやや低めに設定し、残存調節力とのバランスを取ることで近距離も確保します。

3-2. フレームフィッティング

ヘルメット干渉を避け、走行時の安定性を高めるために

  • テンプル:薄くしなやかな素材

  • 鼻パッド:乗車姿勢を想定した調整幅

  • フェイスラインに沿うカーブレンズで横の視界を確保

これらを店頭で実車シミュレーションしながら合わせることが重要です。


4. レンズ素材とコーティングの最適解

  • 高屈折カーブレンズ:軽量かつクリアな視界

  • 耐傷ハードコート+超撥水:雨天走行時の水滴を弾き視認性を確保

  • 可視光調光+偏光:昼夜・天候変化に柔軟対応

  • 可視光短波長光(ブルーライト)カット:夜間走行でのまぶしさ・チラつきを軽減


5. フィッティング後の習熟トレーニング

新しい遠近両用に慣れるために、段階的な練習を推奨します。

  1. 低速走行:通勤ルートなどで慣らし

  2. 0.5秒シフト練習:メーター→遠景の視線移動を素早く

  3. ナイトラン確認:グレア(光のにじみ)や反射の感覚を把握


6. まとめ ― 走る“視覚安全装置”

遠近両用は単なる“老眼対策”ではなく、
**「走る視覚安全装置」**としてライダーの命を守る装備です。

72eyeworksでは

  • 実際のバイク姿勢を再現した測定

  • ヘルメット持参フィッティング

  • ライダー専用レンズオプション

を組み合わせ、走る楽しさをあきらめない世代を支えます。

見え方を失わず、自由を失わない。
それがライダー向け遠近両用メガネの使命です。

ヘルメットをお持ち込みいただき、実車ポジションで測定・試着可能です。
ご相談は72eyeworks公式サイトの予約フォームからどうぞ。