メガネ歴史物語|第4回:素材の革命②:20世紀の奇跡「セルロイド」とプラスチックの登場
前回は鼈甲や銀といった希少な天然素材のお話をしましたが、20世紀に入るとメガネの歴史を根底から変える「化学の魔法」が登場します。それが、現代のセルフレームの語源となった世界初のプラスチック、セルロイドです。
こんにちは、72eyeworksです。
第4回のテーマは、メガネを「みんなのもの」へと変えた素材の革命です。19世紀末から20世紀初頭にかけて登場した新素材は、メガネのデザインと普及に劇的な変化をもたらしました。
高級品を「日常」に変えたセルロイド
1870年頃に発明されたセルロイドは、もともと綿花などの植物繊維を原料として開発されました。これがメガネフレームに使われ始めると、状況は一変します。
- 多彩な表現力: 天然素材では難しかった鮮やかな色や、複雑な模様が自由自在に作れるようになりました。
- 優れた加工性: 板状の素材から切り出し、職人が丹念に磨き上げることで、深みのある独特の光沢が生まれます。
- 普及の加速: 希少な天然素材に頼らず生産できるようになったことで、メガネはより多くの人々が手に取れる存在へと近づきました。
メガネ歴史Q&A(第4回:プラスチックの性質)
Q:セルロイドはアレルギーが起きやすい素材ですか?
A:いいえ、実はその逆です。セルロイドは綿花(コットン)などの植物繊維が主成分のため、肌への親和性が非常に高く、アレルギー反応は起きにくい低刺激な素材として知られています。そのしっとりとした肌馴染みの良さが、今でもこだわり派に愛される理由です。
Q:現代の主流「アセテート」とは何が違うのですか?
A:どちらも植物由来ですが、アセテートはさらに発火性が低く、色のバリエーションを無限に広げられるという利点があります。セルロイドは非常に硬く型崩れしにくいという強みがあり、どちらも「肌に優しいプラスチック」の双璧と言えます。
Q:セルロイドのメガネを長く使うコツは?
A:長年の使用で汗や皮脂が付着したままになると、表面が白く酸化(白濁)することがあります。これが肌への刺激になる場合があるため、使用後はサッと拭くこと、そして白くなってきたらお店で「磨き直し」をすることが、快適に使い続ける秘訣です。
素材がデザインを自由にした
「素材が限られていたから、形が決まっていた」時代から、「作りたい形に合わせて素材を選ぶ」時代へ。20世紀前半のプラスチック革命は、メガネを単なる視力補正器具から、表情を彩る「ファッション」へと押し上げる第一歩となりました。
今私たちがカラフルなフレームを楽しめるのも、この時代の化学者と職人たちの挑戦があったからこそなのです。
まとめ:素材の個性を楽しむ
職人が丹念に磨き上げたセルロイドの艶。それは100年経った今見ても色褪せない魅力があります。当店では、それぞれの素材が持つ「肌触り」や「光沢」の違いを大切にしています。
次回はいよいよ、我が国・日本が世界を驚かせた「チタン」の物語です。鯖江の職人たちが起こした奇跡に迫ります。
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