厚み、重さ、視界の悩み。|第5回:レンズを「小さく削る」という魔法。小径設計がもたらす驚きのメリット

2026.05.24

厚み、重さ、視界の悩み。|第5回:レンズを「小さく削る」という魔法。小径設計がもたらす驚きのメリット

「強度近視のメガネを少しでも薄く、軽くしたい」。そう願うとき、多くの方がレンズの素材(屈折率)ばかりを気にされます。しかし、技術屋の視点から言うと、それ以上に劇的な効果を発揮する『魔法のアプローチ』があります。それが、フレームの特性を活かしてレンズを極限まで「小さく削り落とす」という小径(しょうけい)設計の技術です。

こんにちは、72eyeworksです。

強度近視シリーズ第5回の今回は、加工と設計の裏側に一歩踏み込みます。特別な裏技ではなく、光学の基本を実直に突き詰めることで、仕上がりの美しさがどう変わるのかをお話しします。

近視用レンズの「一番厚い部分」はどこ?

まず知っていただきたいのは、近視のレンズ(凹レンズ)の形状のルールです。レンズの中心が最も薄く、外側(周辺部)にいけばいくほど、すり鉢状に厚くなっていきます。

  • 厚みの正体は「周辺部」: つまり、メガネが分厚くなってしまうのは、レンズの中心ではなく「外側の余った部分」がフレーム内に残ってしまうからです。
  • 削り落とせば厚みは消える: もし、フレームのサイズが小さく、瞳の位置がその真ん中にあれば、レンズの「最も分厚い外側の部分」を丸ごとカットして、中央の「最も薄い部分」だけを贅沢に使うことができます。これが小径設計の基本原理です。

枠を小さくするだけで、重さは半分以下に?

レンズの直径を小さくすることによる効果は、私たちの想像以上です。円の面積や体積の計算と同じで、レンズの直径がわずか数ミリ小さくなるだけで、削り落とされる体積は掛け算で減っていきます。

genericQ:レンズ枠が小さいと、視界が狭くなって不便ではないですか?
A:実は、全くそんなことはありません。第2回でお話しした「目とレンズの距離(頂点間距離)」を適切に近づけるフィッティングを行うことで、レンズ枠が小さくても、目で見渡せる視野の広さは標準的なメガネとほとんど変わらなくなります。むしろ、周辺部の歪んだ視界がカットされるため、スッキリとクリアな見え方になります。

Q:小さいフレームなら、どんなものでも薄くなりますか?
A:ここが重要なポイントです。ただ枠が小さいだけでなく、「左右のレンズを繋ぐブリッジの幅」が適度に広く、掛けたときにお客様の瞳がレンズの『ど真ん中』にくるように設計されたフレームでなければ意味がありません。この絶妙なサイズバランスを持つフレームをセレクトすることこそが、プロの腕の見せ所です。

まとめ:素材の進化に頼らない、設計の勝利

高価な超高薄型レンズを選ぶことも大切ですが、フレームの「小径設計」を組み合わせることで、同じ度数でも仕上がりの厚みや重さは全くの別物になります。「度が強いから……」と大きなメガネで重さに耐える必要はありません。物理の法則を味方につけて、軽やかに、そしてスマートに強度近視を解決しましょう。

次回、第6回は**「フィッティングが厚みを隠す。見た目の印象を変える『掛け心地と傾斜角』の秘密」**をお届けします。物理的な厚みは同じでも、仕立て方ひとつでスマートに見せる調整術を解説します。お楽しみに!

📐 コンマ1mmの調整で、メガネをもっと美しく。

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北鴻巣駅東口から徒歩1分。レンズの厚みを最小限に抑える「驚きの設計」、ぜひ店頭でお確かめください。