厚み、重さ、視界の悩み。|第7回:レンズのコバ(側面)処理の真実。鏡面磨き(つや出し)は本当に正解か?

2026.06.02

厚み、重さ、視界の悩み。|第7回:レンズの屈折率の真実。1.74や1.76という「数字の真実」

「度が強いから、一番薄いレンズで」と選びがちな屈折率。しかし、1.74や1.76という数字の裏には、光学的なメリットと知られざるデメリット(色にじみ)が存在します。本当に見やすく美しいレンズの選び方を解説します。

こんにちは、72eyeworksです。

強度近視シリーズ第7回の今回は、レンズ選びの際に誰もが一度は迷う「レンズの屈折率(1.60、1.67、1.74など)」の真実に迫ります。

ただ数字の大きい最薄レンズを選べば正解というわけではない、光学的なトレードオフ(一長一短)を技術屋の視点から誠実にお話しします。

屈折率が高くなると、なぜ薄くなるのか?

屈折率とは、簡単に言うと「光を曲げる力の強さ」のことです。

  • 少ない厚みで光を曲げる: 屈折率の数字が大きい素材ほど、光をギュッと急角度で曲げることができます。そのため、レンズのカーブを緩やかにすることができ、結果として全体の厚みを薄く仕上げられるのです。
  • 世界最薄クラスの選択肢: 現在のプラスチックレンズでは、1.74や、世界最薄を誇る「1.76」という超高屈折素材が、強度近視の強い味方となっています。

薄さと引き換えにする「アッベ数(にじみ)」の壁

しかし、光学の世界には「素材を薄く(高屈折に)すると、色のにじみが起きやすくなる」という絶対的な物理の法則があります。この光の分散度合いを表す指標を「アッベ数」と呼びます。

Q:色にじみ(アッベ数の低下)があると、見え方はどう変わるのですか?
A:レンズの中心を見ているときは気になりませんが、視線を外側にそらしたときに、白い文字の輪郭に青や黄色の「にじみ」を感じることがあります。素材を薄くすればするほど、このアッベ数は低くなり、視界の周辺部のクリアさはわずかに低下する傾向にあります。

Q:それなら、強度近視でも1.74などの最薄レンズは使わない方がいいですか?
A:いいえ、そんなことはありません。ここで重要になるのが、第3回でお話しした「フレームのサイズ選び」です。小さなフレームを選んでレンズの周辺部をバッサリと切り落としてしまえば、このアッベ数低下による「周辺部のにじみ」の影響を受ける領域そのものを、物理的に無くすことができるのです。

まとめ:技術が素材の限界を補う

「1.74だから綺麗に仕上がる」のではなく、「小さなフレーム設計」と「超高屈折レンズ」を組み合わせるからこそ、にじみのないクリアな視界と、驚くほどの薄さが両立します。ただ数字のスペックだけを追うのではなく、デメリットを技術と工夫で相殺する。それこそが、私たちが提案する「眼鏡の正解」です。

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