第一話｜光をまぶしく感じるライダー（風を感じる視界へ）

夕方の光がまぶしく感じるライダーが、72eyeworksで乱視を整え、見え方と心を取り戻す物語。

北鴻巣駅の東口を出て、郵便局と交番の間の細い路地を抜けると、静かな空気が広がる。
夕方になると、焼き鳥の香りがふわりと漂うその路地の奥に、目立たないガラス扉がある。
72eyeworks（セブンツーアイワークス）。

扉を開けると、やわらかな音楽と木の香り。棚の上で光を受けて輝くメガネたち。
外の喧騒とは違う、ゆるやかな時間が流れていた。

その午後、SRのエンジンが静かに止まる。
ライダーのミヤは、ヘルメットを外し、まぶしそうに目を細めた。
「夕方の光が痛いんです。赤信号がにじんで、二重に見えることがあって……」

光の歪み。
彼女の瞳には、わずかな乱視が潜んでいた。焦点が一点に集まりきらず、光が線のように流れる。
それが“まぶしさ”として現れていたのだ。

店主は静かにうなずく。
「なるほど、乱視が原因で光がにじんでいたんですね。ピントをしっかり合わせるレンズなら、もっとクリアになりますよ。」

ミヤがテストレンズをかけ、外の景色を見つめる。
街路樹の影、電線、遠くの看板。
すべての線が、くっきりとした輪郭を取り戻し、まっすぐに、鮮やかに見えた。

「……光が刺さらない。」
ミヤの声が少し明るくなる。

店主は測定器のデータを確認しながらうなずく。

隣でアヤが、やわらかく笑う。
「SRのタンク色、すごく綺麗ですね。
深みのある色だからこそ、強い光の下では印象が変わることがあります。
今回ご提案するレンズコートなら、色の雰囲気をそのままに保ちながら、まぶしさやにじみをやわらげてくれますよ。」

アヤが控えめに言った。
「出来上がりまで少しお時間いただきますが、バイクで走る光の見え方、きっと変わりますよ。」

外に出ると、夕日が街を赤く染めていた。
ヘルメットをかぶる手が、少し軽くなった気がした。

👓 使用モデル： CARBURETORシリーズ、NIKON SeeCoat Next
🏍 バイク： YAMAHA SR
🎯 テーマ： 光の歪みを整える＝乱視とまぶしさの調律