2025.11.10
遠近両用でわずかな揺れを感じていたゴルファーが、アシストレンズで視線移動をシンプルにし、“迷いのないライン”を取り戻す物語。

北鴻巣駅の東口を出て、郵便局を過ぎ、細い路地を進むと、外とは別の時間が流れているような小さな店がある。
72eyeworks(セブンツーアイワークス)。木の香りと静かな音楽。棚の上で光を受けたフレームが、落ち着いた色で呼吸している。
ここは、ただ視力を測る場所ではない。“迷い”を手放し、“集中”を研ぎ澄ますための静寂と時間を提供する場所だ。
ドアベルが鳴り、ヤマモトが入ってきた。ゴルフ帰りだという。帽子の跡がわずかに残り、手にはスコアカード。そこには、小さなため息が書き込まれているようだった。
「視線を動かすたびに、わずかな揺れを感じるんです。
ボールとカップの距離が合わせづらいというか……」
店主は頷く。
「今は遠近両用を使っているのですよね。遠近両用は便利ですが、設計上どうしても視線移動で“揺れ”や“歪み”が出やすいんです。
パッティングのように距離感と傾斜を読む場面では、その小さな違和感が集中を削いでしまうことがありますね。」
奥には店内用の小さな人工グリーンが敷かれている。
軽い測定のあと、ピント移動をシンプルにするアシストレンズ設計のテストフレームを手渡した。
隣でアヤが、やわらかく笑う。
「目線を動かすだけで、奥のカップも、足元の芝の流れも、自然につながって見えるんです。
近くの見え方は遠近両用ほど強くはないですが、スコアカードを読むくらいなら十分ですよ。」
ヤマモトはテストレンズをかけ、店の奥のグリーンを見つめた。
芝の一本一本、カップの縁、光の反射。視線を移すたびに、線がスッと一本に続いていく感覚。
「……たしかに、ブレない。
ボールの出だしからカップまで、一本の線でイメージできます。迷いが消えた。」
店主は測定器のデータを確認しながら、静かにうなずく。
「ゴルフは、迷いを減らすスポーツです。
視界から『本当に見えているか?』という疑問を消せれば、残りの集中力すべてを、打つ瞬間に注ぎ込めます。」
店を出ると、風が芝の匂いを運んできた。
ヤマモトはスコアカードを二つ折りにしてポケットにしまい、ふっと笑う。
「次のラウンドのスコアカードは、きっと違う」。そんな確信が、彼の中にあった。
👓 使用モデル: 軽量フレーム+アシストレンズ(ピント移動スムーズ設計/例:Nikon Relaxsee)+コントラスト強調コート
⛳ テーマ: 遠くと近くをつなぐ視界=迷いの少ないラインのイメージ