第8話｜自分を解き放つカラー（Anne et Valentinの哲学）

北鴻巣駅東口から細い路地を抜けると、外とは別の時間が流れる小さな店がある。
72eyeworks（セブンツーアイワークス）。温かな光が、棚に並ぶ個性的なフレームを照らしている。
ここは、機能だけでなく、「自分らしさ」という感性と向き合う場所。

主婦のアキコは、いつも地味な色の服を選んできた。
「仕事も、子育ても、控えめでいいと思っていました。
眼鏡も、顔に馴染むように、目立たない茶色を選びがちで……」

けれど、心のどこかで「本当の自分を表現できていない」と思っていた。
今日は少し気分を変えたい——そんな想いで、彼女は72eyeworksの扉を開けた。

店主は、アキコのこれまでの眼鏡遍歴と、「本当はどんな自分になりたいか」を丁寧にヒアリングした。
「アキコさんは、内側に強い芯と明るさをお持ちです。それを隠すのは、もったいないですね。」

店主が手に取ったのは、フランスのアイウェアブランド、Anne et Valentin（アン・バレンタイン）。
鮮やかなフューシャピンクとネイビーのコンビネーション——アキコがこれまで選ばなかった、力強い色と線だった。

"THE PLEASURE OF BEING MYSELF"
— 自分らしくあることの喜び。

眼鏡は、顔というキャンバスに彩りを与え、内面を静かに映し出す。
アキコは鏡の中で一瞬ためらったが、フレームをかけた瞬間——表情がふっと変わった。

頬が上がり、目元に光が差す。控えめだった笑顔が、一段と明るくなる。
「……私、こんな色を選んでもいいんですね。」

隣でアヤが優しく微笑む。
「色で、人は変われます。
このフレームは、アキコさんの『挑戦する気持ち』を応援してくれますよ。」

新しい眼鏡をかけたアキコは、北鴻巣の静かな路地を歩き出した。
足取りは軽く、まるでパリの石畳を歩くように、誇らしげだった。
その瞬間、彼女の視界だけでなく、人生のカラーも変わった。

👓 使用モデル： Anne et Valentin（コンビネーションフレーム）
🎨 テーマ： 個性を引き出すデザイン、自己肯定感を高める眼鏡。